高倉総合計画事務所

 

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Scene003 田園の中のドーム(2004/07/15)

大阪からJR北陸本線で北陸方面に北上すると、福井にたどり着く直前、武生と鯖江の間で線路東側に巨大なドームが現れる。サンドーム福井である。広大な福井平野の田園風景の中に忽然と現れる赤茶色とも赤紫色とも見える三角形の集合体の巨大ドーム。低層部のドーム周囲部は越前瓦のタイルを敷詰めている。

この田園風景には似合わない、少々グロテスクとも言われる外観とは裏腹に、そのドームの内部空間は白銀に淡く輝く美しい空間だ。ローマのパンテオンのように天頂からはトップライトの自然光が入る。銀色のフレームと白いテント膜で天井は包まれている。

1990年代はドームの時代だった。日本全国でドームや体育館などの大空間建築が盛んに建造された。しかし、構造的な骨組みの設計に時間と予算をとられ、インテリアとしての内部空間の充実まで手が回っていない。然るにこのドームは内部空間の充実に力をいれ、そして成功している。

大学のプロフェッサーアーキテクトと世界的構造家の共同によって設計されたこのドーム。当時その実施設計にかかっていた大学の研究室に配属になった私はこのドームの大屋根の設計に放り込まれる。そして研究室時代のほとんどをこの大屋根の図面と模型の作成に費やした。自分の学生時代の一時期を投じたこのドームが現実の存在として福井の田園の中に出現したことは私のキャリアの中で大きな影響を与えている。

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